電子書籍は専用のアプリで読む形が今では主流となっています。しかし端末容量などの問題から、アプリをインストールしたくない方も多いでしょう。
特に容量の少ない端末を使っているのであれば、出来るだけ電子書籍を保存するのは避けたい所です。しかし、アプリをインストールしなくても電子書籍は読めるのでしょうか?
実は「ブラウザビューア」と呼ばれているブラウザを利用したビューアがあります。特に意識していないかもしれませんが、電子書籍ストアで会員登録などしていない状態で試し読みをした場合。
勝手に新たなタブが開いたり、新たにブラウザが立ち上がったという経験をした方は多いと思います。その正体こそブラウザビューアなんです。
よって、アプリなしで電子書籍を読みたい場合はブラウザビューアが解決策になるかもしれません。そこで今回は、ブラウザビューアの特徴やメリット、デメリットをご紹介します。
電子書籍をアプリなしで読むならブラウザビューア
ブラウザビューアとは、私たちがネットサーフィンで利用するWebブラウザを使って、そのまま電子書籍を楽しむ仕組みです。多くの方が知っているグーグルクロームなどもWebブラウザの一種です。
ストリーミングと呼ばれる形式により、リアルタイムに電子書籍のデータをサイトからブラウザにダウンロードする形で画面を表示しているので、アプリなしでも電子書籍が読めるのです。
このダウンロードは一時的なもので、ブラウザを閉じたら端末から書籍データが残らないので、ブラウザビューアはデバイスの容量を圧迫しないのが特徴です。
各電子書籍サービスが提供を進めており、対応ブラウザもそれぞれ異なります。一般的には、以下のブラウザが対応しています。
- Google Chrome
- Microsoft Edge
- Firefox
- Safari
今ではスマートフォンなどを利用して電子書籍を読んでいる方が多いとは思いますが、スマートフォンの場合は殆どがGoogle ChromeもしくはSafariのブラウザを利用しているケースが多いので、ブラウザビューアが使えない、といったことはほぼないでしょう。
無料漫画アプリもブラウザビューアで読める?
ブラウザビューアを使うと、無料漫画アプリの漫画もアプリなしで読めることがあります。但し、厳密には読みたい漫画アプリがアプリ以外にwebの公式サイトを持ち、サイト上でブラウザ読みに対応している電子書籍サービスであれば、ブラウザビューアで閲覧できます。
漫画アプリで対応している代表的なサービスといえば「少年ジャンプ+」などがあります。しかし注意点として、ブラウザビューアから漫画を読む場合、しおりや作品・作者の評価機能が使えないなど、アプリ版よりも機能が制限される形がほとんどです。
ブラウザビューアは手軽に電子書籍を楽しむためのものであり、本格的な読書を行う方にはアプリなしでは困る場合が多いので、アプリのインストールをおすすめします。
ブラウザビューアのメリット3つ
では、ブラウザビューアを利用するメリットを見ていきましょう。アプリなしの場合と比べても意外とメリットは多く、書籍を読む頻度が低い方ならメリットの方が多くなると考えられます。
すぐに読むことが出来る
最大のメリットはやはり専用アプリなしで、いつでも気軽にすぐ電子書籍を読むことが出来ることです。Webブラウザを介するブラウザビューアでは、ネットの記事を閲覧するのと同じ感覚で電子書籍を読めます。
気になった本はその場ですぐに開けるため、利用していて手間を感じません。特に、本格的に読むかまだわからない書籍の試し読みの際に、いちいちアプリを開いてダウンロードを進めて、と待たなくても良いのは大きなメリットです。
また、様々なサイトですぐに読めるというのも大きいでしょう。電子書籍ストアというのは、かなりの数があるのでどのストアを使うか迷っているような場合、わざわざストア専用のアプリをインストールしないと読めないのでは非常に手間がかかります。
その反面、ブラウザビューアでは余計なインストールなどが必要ないので、様々な電子書籍ストアを試してから最終的にはアプリで読む、ということも可能な訳です。
インストールが不要
ブラウザビューアと聞くと何かインストールをしないと、電子書籍が読めないのでは?と思われるかもしれませんが、インストールなど一切必要はありません。なのでwebに慣れていない方でも安心して電子書籍が楽しめるのです。
また、電子書籍を上手に楽しむ方の場合、各ストアの割引キャンペーンを使い分けて購入する中で、専用アプリの数が増えすぎてしまうことがよくあります。Webブラウザが一つあれば良いブラウザビューアなら、このような煩雑さとは無縁です。
端末の容量が増えることがない
前述の通り、ブラウザビューアは電子書籍をリアルタイムにダウンロードしながら画面を表示していますが、ブラウザを閉じるとこのデータは原則的に削除されます。そのため、アプリのようにデータが膨らみ、端末の容量を圧迫する心配がありません。
PCでも読める場合がある
Webブラウザがあれば良いブラウザビューアは、端末の種類を問わないのもメリットです。スマートフォンはもちろん、PCやタブレットからも閲覧できるため、外出先ではスマホで読んで、帰宅してからはPCで読むという方法も可能です。
但し、利用する電子書籍ストアがPCに対応していないと読めないので注意も必要です。PCではアプリで難しい大画面で電子書籍を表示できるのも大きなメリットでしょう。アプリとは違った迫力を楽しめるので、ブラウザならではの良い部分を味わえます。
特に漫画の場合は、背景への細かな書き込みなどこれまで気がつかなかった面白さまでチェックできるでしょう。
ブラウザビューアのデメリット
ブラウザビューアは非常に便利なサービスですが、一方で知っておきたいデメリットもあります。特に電子書籍を読む機会が多い方は、デメリットの方が多くなってしまうかもしれません。
オフラインで読めない
最大の問題となるのが、オフラインでは電子書籍が読めないことです。アプリ版の場合、事前にデバイスへ電子書籍のデータをダウンロードしておけば、オフラインでも閲覧できる形が主流です。
しかし、リアルタイムの通信が必要なブラウザビューアは、オフライン環境では書籍を開くことができません。なので、常にネット接続をしていないと電子書籍が読めない、というデメリットがあります。
ある程度高速なネット回線が必要
ネット回線があまりに遅すぎる場合も、ブラウザビューアは満足に機能しなくなります。ページの表示にダウンロードが追いつかないためです。近ごろはネット回線の高速化が進んでおり、一般的なWi-Fiや4G、5Gの回線であれば問題はありません。
しかし、スマホの格安プランなどに加入していて、当月のデータ量を使い切った後は、低速回線のみ繋がる通信制限がかかっているような状況では、制限中は満足に閲覧できないことがあります。
書籍の表示がカクつきやすい
回線の状態や利用するサービスのクオリティにもよりますが、ブラウザビューアは表示がカクツキやすい傾向にあります。その瞬間の利用者の数(サーバーの負担)によっても表示の重さが変わるため、ゴールデンタイムなどには動作が重いことも珍しくありません。
一度ダウンロードしてしまえば今後は常にスムーズに表示されるアプリ版と比べると、大きなデメリットです。また、上述していますが回線速度などにも影響があるので、遅いネット回線だとストレスを感じることもあるかもしれません。
読書機能が劣っている
多くの場合、ブラウザビューアはアプリ版と比較すると読書機能で劣っています。しおりや自動ページ送りといった便利機能を使えなかったり、作者や作品の評価ができなかったりと、サービスごとにその制限は様々です。
「手軽に楽しみたい電子書籍はブラウザビューアで、本格的に読み込みたい作品はアプリで」と使い分けをするのも良いでしょう。
アプリは読むだけという場合が多い
ちなみに、Webサイトとアプリの両方を提供している電子書籍ストアの場合、アプリ側は閲覧のみで、購入はWebサイトで行うシステムの場合が多くなっています。逆に無料がメインの漫画アプリはアプリがメインとなっています。
また、ストアによっては、同じ作品であってもサイトとアプリで違う価格で販売されていることも珍しくありません。
たとえば、ブックウォーカーでは、Apple社への手数料の関係でほとんどの電子書籍の価格がiOSアプリの方が高く、Webサイトの方が安いという感じに設定されています。
損をしてしまわないように、購入前にはアプリとサイトの両方の価格をチェックしてみましょう。
まとめ
この記事では電子書籍をアプリなしで読む方法のブラウザビューアについて、特徴やメリットとデメリットをご紹介しました。ブラウザ上でそのまま電子書籍を読めるブラウザビューアは手軽であり、デバイスの容量を圧迫しないなどのメリットもあります。
しかし一方で、利用できる読書機能はアプリよりも劣るケースがほとんどで、さらにギガを消費してしまうので、ギガを節約している方にとって、電子書籍をアプリなしで読むというのは少しデメリットとなるかもしれません。
最終的には自分の利用シーンに合わせて、上手に使い分けをしてみてください。